【誤解されがち】「売上が1,000万円を超えたら法人化」は間違い?
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個人事業主と法人の違いを含めて解説
POINT
- 個人事業主からの法人化で検討すべきポイントは、「売上」ではなく「所得」!
- 売上1,000万円超はあくまでも消費税の納税義務者となるラインなので、個人事業主か法人かの検討は、所得税や法人税、社会保険料等も考慮する必要あり!
- 個人事業主と法人とでメリット・デメリットがあるため、節税目的だけでなく総合的に考慮して検討しよう!
個人事業主から法人化へのタイミングは?
- インターネット上では、「個人事業主として売上が1,000万円を超えると法人化を検討すべき」という記事をよく見かけますが、これは節税という観点から見ると正しいとは言えません。
- 売上1,000万円超は、あくまでも消費税の納税義務者となるラインです。個人事業主か法人かの検討では、消費税だけでなく、所得税(個人事業主の所得に係る税金)や法人税(法人の所得に係る税金)、社会保険料等も考慮する必要があります。
- 法人化で検討すべきポイントは、「売上」ではなく「所得」です。売上から仕入や経費を差し引いた「所得」が一定額に達したら、法人化の検討に入るというのが正しい理解です。
- 一般的には、所得600万円あたりからが法人化の検討ラインと言われています。
例えば・・・
①売上1,100万円-仕入・経費900万円=所得200万円の場合
➣基本的には個人事業主の方が有利となります。
②売上900万円-仕入・経費200万円=所得700万円の場合
➣法人化した方が有利な可能性が高く、法人化の検討を行った方が良いと考えられます。
個人事業主と法人との比較
項目 | 個人事業主 | 法人 |
---|---|---|
☑ 信用度 | 低い | 高い |
☑ 融資審査 | 白色申告や青色申告(簡易帳簿)は弱い | 強い |
☑ コスト(設立・税理士) | 安い | 高い |
☑ 経理・税務 | 比較的簡易 | 複雑 |
☑ 決算日 | 暦年計算(1月1日~12月31日) | 自由かつ変更可能 |
☑ 人材採用 | 不利 | 有利 |
☑ 社会保険 | 基本的には任意加入 | 強制加入 |
☑ 税金の種類 | 所得税等 | 法人税等 |
☑ 赤字の場合 | 納付不要 | 赤字でも最低7~8万円の税金が生じる(自治体によって差がある) |
☑ 赤字の繰越し期間 | 3年間 | 10年間 |
☑ 税率 | 15%~60%(超過累進税率) | 25~35%(ほぼ一定) |
☑ 節税 | しにくい | しやすい |
個人事業主か法人かで悩む場合には・・・
- 個人事業主の方が良いケース
・所得が低い(一般的には所得400万円以下が目安)
・信用面(融資や採用)を重視しない
・取引上の問題がない(法人でなくても取引に影響がない場合) - 法人の方が良いケース
・所得が高い(一般的には所得400万円超が目安)
・信用面(融資や採用)を重視する
・取引上の問題がある(法人でないと取引ができないような場合)
・代表取締役になりたい
個人事業主か法人かの選択は、税制面だけでなく、信用面や取引の利便性など総合的に考慮して検討することをオススメします。弊事務所では、シミュレーションの結果を基に個人事業主から法人化された顧問先様が多数いらっしゃいます。中には「自分にはまだ法人化は早い」と思われていた方がシミュレーションをした結果、法人化した方が節税になったというケースもございます。
- 弊事務所にて顧問契約をしていただいた方には、個人事業主から法人化した場合のシミュレーションも致しますので、法人化をご検討されている方は是非一度ご連絡下さい。
※記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。法令または公的機関や専門家に相談の上、ご自身の判断の基でご利用下さい。